トーキョートレーダーズタイムズ
info@tokyotraderstimes.com

住所
東京都中央区日本橋浜町3-1-1
電話 03-3669-2227








2013/2/10

記録的な寒波到来でNYヒーティングオイル市場に異変

相場高騰だけでなくオイルを欧州から海上輸送の動きも

NY商品マーケットで今、灯油や暖房油として使われるヒーティングオイルの価格が高値を維持している。直近の2/6現在値はガロン当り2ドル99セント。ほぼ3ドル付近での推移となっている。昨年末は大きく相場が高騰して一時3ドルを超える値位置まで上昇した。その高値からは値段は落ち着いているが、再び急上昇する可能性を秘めている。

なおNYヒーティングオイル相場は一時3ドル37セントまで上昇したが、これは、2011年、2012年、2013年の高値を抜き、2008年以来6年ぶりの高値を更新したことになる。

このようにNYヒーティングオイル価格が上昇したのは、昨年末に米国が寒波に襲われているためだ。過去20年で最悪の大寒波といわれ、ミネソタ州エンバラスでマイナス37度、シカゴでマイナス29度、NYでマイナス17度というような最低気温を観測している。更に、モンタナ州カマータウンでは体感温度で史上最低となるマイナス53度を記録した。

今年に入ってからも寒波が続き、広範囲で極寒の北極気団に覆われ、各地で外出が困難な状況や学校の休校が相次いでいる模様である。「極渦」と呼ばれる気象パターンの移動により、米国各地で急激に気温が低下し、東部の大部分では風冷警報が出された。
このヒーティグオイル価格の上昇に連れて、WTIの原油相場も右肩上がりで推移している。通常は、原油高が先行して石油製品高となるのが通例だが、最近の相場は製品高が先導して原油価格を押し上げるという異例の事態である。

更に、物流にも異常事態が発生している。米東海岸を襲う厳しい寒さの影響で、欧州からのヒーティングオイル出荷が増加している。この結果、普通は米国から欧州に向かうオイルが、欧州から米国へと逆流している。2月第1週現在、欧州積みの石油製品タンカーが3隻予約されている模様であり、来週中にも米東海岸に到着する予定となっている。


●2013年11月11日

シェール革命による原油の供給過剰とNY原油相場のこれから

シェール革命が起こった2013年の石油市場には供給に対する不安が払拭されたことで価格高騰への不安も同じように後退しつつある。ただし、足元のNY原油の相場の流れは、依然として緩やかではあるがやや右肩上がりのトレンドが継続している。
NY原油の大勢の動きは、安値が80ドル、高値が110ドルの上下30ドル幅のレンジにある。しかし2013年はややレンジが切り上がり、安値が90ドル、高値が110ドルの上下20ドル幅となった。端的に言えば、上値は110ドルで抑制されているが下値は10ドルほどレンジアップしている。
ただし、来年の原油相場に対する見通しはやはり悲観的である。上昇しても100ドルから110ドルが限界で、逆に80ドル付近まで下落するのではないかとの見通しも一部で唱えられている。供給増で需給が緩和するとの見方が背景にある。
事実、ゴールドマンサックスは来年の米国とカナダの北米両国を合わせた原油供給量は今年より日量145万バレル増加するとしている。しかし来年の世界需要の増加量見通しは135万バレルにとどまり、この結果、来年の世界原油需給は今年より需給ギャップが縮むという結論を導き出している。それでも2014年の世界原油需給は若干の供給不足になる見通しだが、2015年には供給が需要を上回るオーバーサプライになると予測している。
参考までに、国際エネルギー機関(IEA)は、「シェール革命に伴い米国が2015年までにロシアを抜き世界最大の原油生産国になる」との見通しを示している。加えて、米エネルギー省(EIA)の推計によると、米国の原油生産は2014年末までに日量888万バレルに達し、201311月時点の797万バレルから増加すると予想している。2015年については、ゴールドマンサックスの試算によると更に日量115万バレル増加するとしているため日量900万バレルを突破することになる。この数量は、現在世界最大の産油国であるサウジアラビアやロシアと肩を並べるほどである。
今のところ、原油の生産が増強されたとしても製油所が限界に達すればガソリンやヒーティングオイルなどの石油製品の供給はある程度抑えられるため、ボトルキャップの問題を解消するためには今の原油生産量より多くするのは難しい側面もある。このため過剰生産された原油の行き所として、製油プラントの処理能力を増強するか、原油生産を抑制するか、もしくは海外輸出を解禁するかの三つの選択肢から模索する必要がある。
さて話しを元に戻して原油相場の動きだが、これまで触れたとおりシェール革命により供給過剰見通しが濃くなっていることからすると原油価格が急落するというシナリオが普通に描ける。しかし、不思議なことに、その描いた餅のとおりにマーケットが動かないのも相場の道理なのである。■


●2013年11月11日
内閣府が今後の中国経済について”中所得国の罠”に陥ると分析

「中所得国の罠」という言葉がある。どういうことかというと、自国経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国入りできない状態のことを指す。新興国が低賃金の労働力等を原動力として経済成長し、中所得国の仲間入りを果たした後、自国の人件費の上昇や後発新興国の追い上げ、先進国の先端イノベーションの格差に陥り競争力を失う状態のこと。端的に言うと、安い労働賃金での成長が臨界点に達する地点から、更にそこから一段の経済成長に向かうことが難しいことを意味する。
一般的に、中所得国とは、一人当たりの国内総生産(GDP)が3000ドルから1万ドルの国を指すが、この上限値である1万ドルに達した後、更に15000ドル、2万ドルに達することが難しく、達成できず1万ドル程度にとどまる国や地域が多い。事実、これまでの産業の歴史から推し量っても、低所得国から中所得国になることができた国は多いが、高所得国の水準を達成できている国は少ない。
近代において、この端的な例が中国である。中国は、低賃金を武器に世界の工場化が成功し見事な経済発展を成し遂げた。世界が金融危機に喘いでいる間も高い経済成長を誇った。名目GDPベースは日本を抜き世界第2位に躍り出ている。しかし労働賃金コストの上昇やインフレ上昇などにより、中所得国の仲間入りとなりつつあるが、今の状態から脱皮することには疑問視される状況である。
8日に、内閣府は2013年下期の世界経済報告「世界経済の潮流」を公表し、中国のこれから10年間の成長率は6%台半ばまで低下するとの見通しを明らかにした。2017年に中国の一人当たりGDP1万ドルに達すると試算されることがベースにある。まさに、前述の「中所得国の罠」に陥ると踏んでいるのだ。
同じく内閣府によると、中国がこの状況を回避するためには、輸出の高度化や第2次産業比率の維持により生産性の上昇を測ることが鍵を握るだろうと指摘した。国内消費の脆弱さや人的な部分における資本育成の遅れなど、解消されていない課題があるとした。更に、住宅価格の上昇や信用供給の規模からみて過剰な融資が行われているため、この部分でのバブル崩壊リスクもあると警鐘を鳴らしている。
中国の成長率は、2013年の7.7%から2014年は8.2%に加速すると先日、経済協力開発機構(OECD)がまとめたばかりだが、今回、内閣府がまとめたところでは2014年から2022年にかけて中国の平均成長率は6.4%程度になると試算。アジア開発銀行やOECDなどの試算より1%程度低くなるとしている。
中国の経済減速が実際となった場合、金融市場全体に大きな影響が出るのは必至だが、中でもコモディティの分野では産業素材やエネルギー分野への影響は大きくなりそうだ。ただし既に今から、マーケットは材料として織り込みをはじめているようにも見受けられる。■


●2013年11月11日
ガソリン先物相場に追随して小売価格が6週間ぶりに値上がり

資源エネルギー庁が124日に発表した石油製品の店頭小売価格週次調査によると、2日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は、1リットル当たり157.0円となり、前週から0.1円上昇した。レギュラーガソリン価格が上昇したのは6週間ぶり。
このレギュラーガソリンは今年10月中旬からずっと値下がりが続き、特に11月中は週を追うごとに安くなっていた。ちなみにハイオクガソリンも0.1円上がって167.7円、軽油は0.3円上がって137.5円。
このガソリンの値上がりだが、当然のことというか遅すぎるぐらいである。東京ガソリンの先物相場は11月から上昇が続いていただめだ。ガソリン先限は、118日の安値73620円を底として、124日には一時82760円まで大きく上昇した。値上がり幅は9140円、上昇率は12.4%にも達していた。これだけ大幅に先物相場が上昇していたにもかかわらず、ガソリン販売価格の値下がりが続いていたことで、整合性が歪となっていたのだった。だから、2日時点のガソリン小売価格が下がったのは当然である。
なおガソリン価格の元値となる原油相場だが、今年9月、10月、11月と3カ月連続して下げ続けていたものの、12月に入ってから再び反発の兆候が出ている。NY原油は、今年8月末の高値112.24ドルから11月末には91.77ドルまで値下がりし、この間、最大で20.47ドル安、下落率は18.2%となっていた。その下げで4カ月ぶりの安値圏まで後退していた。
しかし下げ過ぎの反動から、11月に入ってからは自律的に反発している。今週に入ってからの上げにより、95ドルを突破してなお堅調な動きが継続しており、100ドルが再び視野に入っている。
参考までに、今原油相場が上昇している原因は、米国の景気が回復していることで、米国の石油消費が増加するとの見方が広がっているため。特に、米国の自動車業界では新車の販売台数が高水準で推移、極めて好調であることから、その分だけガソリン消費が拡大しそうだとの観測につながっている。
別な角度では、米石油在庫の減少も強材料。米エネルギー情報局(EIA)が発表した1129日終了週の原油在庫 560万バレル減少した。事前予想の50万バレル減少から500万バレル以上もの急減となったことが値上がりの要因となった。更に、カナダの石油パイプラインが米テキサス州の製油所向けの原油輸送を来月開始するとの報道を受け、米原油在庫の減少につながるとの見方が広がった点も影響が大きい。
ただし石油市場において、2000年代前半まで広がっていた供給不安の問題は、近年におけるシェール革命によって劇的に解消されている。このため2008年のようなガソリン販売価格がリッター当り180円付近まで高騰するような時代ではなくなっている点は安心だ。■




エボリューション・ジャパン
「リアル・マネー・トレード」
いよいよ1月6日スタート
コモディティTVで生放送